休日の備忘録

放置していてtwitterメインだったけど、調べごととかの記録用に運用します

iDeCoと国民年金基金のどちらが良いか

色々あって厚生年金がもらえない立場になってしまったので、終身年金として国民年金基金の利用を考えました。ですが、同じ枠(最大68000円/月)を争うiDeCoと比較検討した結果、私の場合は国民年金基金は割に合わなそうなので全額(付加年金を除くので67000円/月)をiDeCoに突っ込むことに決めました。

国民年金基金iDeCoも利害関係者の提灯記事が多く、SEOもギッチリ固められていて検討に非常に苦労したので、記事にまとめておこうと思います。そもそも国民年金基金って何よ、iDeCoって何よって方はリンク先を読んでください。

 https://www.npfa.or.jp/system/about.html

https://topisyu.hatenablog.com/entry/2018/09/29/073000

国民年金基金シミュレータやiDeCoシミュレータの問題点

下記のシミュレータで自分の毎月の掛金からもらえる年金やiDeCoの資産をシミュレーションできます(このiDeCoシミュレータはグラフ出力後に掛金や利回りをいじれて他のシミュレータより便利です)。

https://www.npfa.or.jp/check/simulator.html

https://www.morningstar.co.jp/tools/sbisec/ideco/simulation/index.html

国民年金基金の場合、35歳から毎月の掛金64350円を60歳まで25年間かけることで、年額120万の年金を得ることができます。一方で掛金の総額は約1930万円です。これから年金が支給される65歳から16年以上生きれば元が取れるんじゃないと単純計算をしがちですが、この金額は税引前なのでそんなに単純な話ではありません

iDeCoの場合、35歳から毎月の掛金64000円を60歳まで25年間積み立てて、更に付加年金を400円かけると上記の国民年金基金と毎月の掛金がほぼ同額になるので*1、これで利回り0%と想定してシミュレーションしてみます。積立額の総額は1920万円に付加年金が年額6万円になりました。

税引き後の手取り

上記の2通りについて税引きの計算をしてみます。

国民年金基金は年間120万支給されますが、ここから所得税・住民税・国民健康保険料が差し引かれます(厳密に言うと前年度の収入に応じて徴収)。公的年金は年間120万まで控除の対象になりますが、国民年金で約80万支給され、更に私の場合は企業年金連合会から30万ちょっと支給されるので120万の控除枠はほぼ埋まってしまって、国民年金基金の120万は全て課税対象です。(追記、120万から基礎控除の38万円が引かれます)

よって所得税が約3万、住民税が約7万に、国民健康保険が約13万で、年間120万の年金は97万になってしまいました。

iDeCoは一時金と年金と2通りの受け取り方があります、税制的に有利な一時金の場合で計算します(年金の場合の計算は上記の国民年金基金の計算と同じ)。

1920万を一時金で受け取ると退職金扱いになるため、国民健康保険の計算の対象になりません。他にも退職金所得控除の有利な扱いを受けるため、1920万の積立金は手取りで約1850万になります(詳細は下記リンク先を参照)。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1292387069

 

手取り額での比較

以上の税引き後の結果を比較検討します。iDeCoは付加年金6万があるので忘れずに計算に入れて、国民年金基金iDeCoの年金受給額の差額は120万ー6万=114万です。これに税率をかけて、手取りでは約95万の差額が発生します。

iDeCoの場合の一時金手取り額1850万を国民年金基金の年金で割ると、1850万÷88万/年=19.5年になるため、”85歳”まで生きれば(65歳の年金支給開始年齢から20年間)元がとれることがわかりました。

 

結論

男性の平均寿命は81歳ですが、中央値が83歳・最頻値は87歳であることを考えると、85歳まで生きるのは無理とは言いませんが、そこまで生きてやっとでトントンというのは分が悪いなという印象です。

老後の資金計画という観点から言えば、毎年の年金に期待するよりもまとまった金額をやりくりするほうが自由度が高く、年金は受給時期を遅らせることで金額を増やすことができるので(85歳まで生きるのであれば70歳からの受給でも元が取れる)、やはり国民年金基金は使い勝手が悪そうです。

更に上記シミュレーションでは利回り0%で計算してますが、リスク資産(インデックスファンド等)を長期で持つことで資産を増やすことも可能です(減る可能性もありますが)。国民年金基金の年金額は固定のためインフレリスクがあることを考えると、安全という観点でもiDeCoの方が好ましいと結論づけました。

 関連ツイート

*1:国民年金基金と付加年金の併用は不可能